AGAとは
AGAとは薄毛・脱毛症の種類の一つです。まずはAGAがどのような脱毛症なのか詳しくみていきましょう。
AGAは英語の「Androgenetic Alopecia」の略で、男性型脱毛症のことを指します。男性型脱毛症とは成人男性に多くみられる脱毛症で、薄毛に悩む男性のほとんどがAGAを発症していると考えられています。
AGAは一度発症すると自然に治ることはなく、治療をしないとどんどん髪の毛は抜けていってしまいます。治療をやめると再び抜け毛が増えてしまう、治療しなければ薄毛が治らないといった特徴から「AGAを発症したら終わり」といわれることもあります。
AGAを自力で治すことは難しいですが、高い効果を発揮するAGA治療は確立されています。AGAの進行を抑える飲み薬や発毛を促進する塗り薬など、AGA治療専門のクリニックや病院では、症状に合わせた治療薬を処方してもらえるでしょう。また、注射による治療などもあり、自分にあった治療方法を見つけることができます。AGAを治したいと思ったら、まずはクリニックで相談することが重要です。
AGAは他の脱毛症と異なり特徴的な症状が現れます。ご自身の頭髪の状態をチェックしながら、AGAの症状に当てはまらないか確認していきましょう。
AGAと他の脱毛症の見分け方は、髪の毛のどの部分が薄くなっているかを確認することです。前髪のM字部分が切れ込んだように後退していたり、頭頂部の地肌が透けたりするのは典型的なAGAの症状といえます。AGA以外の脱毛症には円形脱毛症などがありますが、円形脱毛症は頭のどの部分にできるかわからず、円形や楕円形にハゲるため見分けやすいでしょう。まずは、ご自身の頭髪がどこから薄くなっているかを確認してみることが大切です。
AGAかどうかを診断するためにはクリニックに行く必要がありますが、簡単なセルフチェックでAGAの可能性があるかを知ることができます。上記の項目に一つでも当てはまる場合はAGAの可能性を否定できないため、早めにクリニックを受診するようにしましょう。
AGAは進行性の脱毛症のため、症状はどんどん悪化していってしまいます。AGAの特徴的な脱毛パターンや進行パターン、毛髪量の変化について詳しくみていきましょう。
AGAはどこから髪の毛が薄くなり始めるかによって「M字型」「O字型」「U字型」の3つのタイプに分けられます。
アルファベットのような形に薄くなっていくため、このような呼び方をされています。ご自身の脱毛パターンがどのタイプか確認し、状態に合わせた治療を受けることが重要です。
型 | 症状 |
I型 | 額の生え際が徐々に後退していく。 |
II型 | I型が進行して額の生え際の後退がひどくなる。 |
III型 | II型がさらに進行して、額の生え際の切れ込みが深くなる。 頭頂部の髪の毛は残っている。 |
IV型 | III型が進行して額の生え際が大きく後退していき、頭頂部も薄くなっていく。 |
V型 | IV型が進行して前頭部と頭頂部の薄毛が広がる。 |
VI型 | 前頭部と頭頂部の薄毛が進行し、薄毛になりにくい側頭部の毛髪が残る。 |
VII型 | 額〜頭頂部〜後頭部にかけて毛髪がなくなる。 |
IIa型 | 額のM字部分と中心が後退する。 |
IIIa型 | IIa型が進行して、額から頭頂部にかけて薄くなる。 |
IVa型 | IIIa型がさらに進行して、耳から前の前頭部が全体的に薄くなる。 |
Va型 | IVa型が進行して、後頭部にも薄毛が広がる。 |
II Vertex型 | 額のM字部分の後退とともに頭頂部も薄くなる。 |
III Vertex型 | II Vertex型が進行して、額のM字部分と頭頂部の薄毛が目立つようになる。 |
AGAは進行性の脱毛症ですが、実は進行パターンには世界的な基準が用いられています。それが「ハミルトン・ノーウッド分類」です。AGAがどのように進行していくのかを表した分類で、現在の進行度合いを確認することができます。なお、日本人には欧米人にあまりみられない「頭頂部から薄毛が進行するパターン」があるため「Ⅱvertex」を加えた「高島分類」を使用することが多いです。
ハミルトン・ノーウッド分類や高島分類はAGAの進行状況を見極める際に用いられますが、素人が自己判断することは難しいため、医師に判断してもらうようにしましょう。
そもそもAGAはなぜ起こるのでしょうか。AGAのメカニズムについてお伝えします。
AGAは男性ホルモンが原因だと思われている方が多いですが、実は誤った情報です。正確には、悪玉男性ホルモンがきっかけで生じます。
男性ホルモン「テストステロン」は、男性らしい体を作ったり前向きな気持ちにさせたりする、男性にとって欠かせないホルモンです。このテストステロンが還元酵素の「5αリダクターゼ」と結びつくことで、悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」が形成されてしまいます。ジヒドロテストステロンが、毛乳頭にある「アンドロゲンレセプター(男性ホルモンの受容体)」と結びつくことで発毛を阻害し、AGAが生じるのです。そのため、男性ホルモンが悪いのではなく、正しくは悪玉男性ホルモンが原因でAGAを発症します。
髪の毛が生えてから抜けるまでの一生を「ヘアサイクル」と呼びます。ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返すのですが、AGAになるとヘアサイクルが乱れてしまいます。正常なヘアサイクルとAGAのヘアサイクルの違いは下記の通りです。
正常なヘアサイクルは成長期が2〜6年程度です。この期間のうちに髪の毛が太く長く成長します。1日100本ほどの抜け毛はありますが、新しい髪の毛が生えてくるため薄毛にはなりません。
AGAのヘアサイクルは成長期が極端に短く、通常2〜6年程度だったのが数ヶ月程度になってしまいます。また、髪の毛が十分に成長しないうちに抜けてしまうため、髪の毛がどんどん薄くなってしまうのです。
AGAは「Androgenetic Alopecia」の略です。「Androgen=男性ホルモン」「genetic=遺伝」「Alopecia=脱毛症」の意味を持ちます。名前に「遺伝」が入っていることからも、AGAは遺伝的な要因で発症する可能性の高い脱毛症ということがわかるでしょう。そのため、親族に薄毛の人がいる場合は、高確率でAGAを発症するといわれています。
遺伝するのは「5αリダクターゼ」の活性度と「アンドロゲンレセプター」の感受性です。特に母方の親族に薄毛の人がいる場合は薄毛になりやすいと考えられているため、将来薄毛になるかもしれないと不安な方は、母方の親族に薄毛の人がいないか確認してみましょう。
AGAにはさまざまな治療方法があります。ここでは3つの主なAGA治療についてお伝えします。
AGA治療で最も広く普及しているのが内服薬・外用薬による治療です。内服薬は「プロペシア錠(フィナステリド)」や「ザガーロカプセル(デュタステリド)」、外用薬は「ミノキシジル」が主に処方されます。
内服薬は抜け毛を抑制する働きがあり、外用薬には毛の成長を促進する働きがあるため、併用することで高い治療効果が見込まれるのです。ただし、内服薬には性欲減退や肝機能障害、初期脱毛などの副作用が起こる可能性があり、服用が適さない患者様もいらっしゃいます。
HARG+®療法は、頭皮に有効成分を注入する施術です。毛髪再生を促す製剤を薄毛部分に直接届けられるため、より高い治療効果が期待されます。HARG+®療法は、内服薬と併用して受けられる患者様も多いですが、単体で受けられる方もいらっしゃいます。また、HARG+®療法は副作用がほとんどなく、内服薬・外用薬で効果が出なかった方、体質的に内服薬の服用ができない方にも適した施術です。
なお、HARG+®療法は従来のHARG®療法よりも高い発毛効果が期待できる施術で、限られた医療機関でしか受けられません。当院ではHARG+®療法を取り扱っておりますので、最新の毛髪再生医療にご興味のある方はお気軽にご相談ください。
植毛はご自身の髪の毛を薄毛部分に移植する施術です。AGAは前髪の生え際部分や頭頂部が薄くなりますが、側頭部はほとんど薄くなりません。このような薄くなりにくい部分の髪の毛を移植することで、薄くなりやすい生え際や頭頂部の薄毛の進行を食い止めるのです。手術となるためダウンタイムが長く治療費用も高額になりますが、一度の治療で薄毛を改善したい方に適しています。ただし、治療後にAGAが進行してしまうと、移植した毛が不自然に目立ってしまうというデメリットもあります。
AGAの進行を防ぐためには治療を受ける必要がありますが、セルフケアを取り入れることも重要です。今日から始められるセルフケアを3つご紹介します。
AGAを改善するためには、生活習慣を整えることが重要です。特に食生活・睡眠・運動習慣などは見直すほうがよいでしょう。
食生活では、塩分・糖分・脂肪分を控えた食事を心がけ、髪の毛に良い「亜鉛」や「タンパク質」を多く含む食材を取り入れましょう。また、睡眠時には成長ホルモンが分泌され、太く長い髪の毛を作る働きがあるため、睡眠時間はしっかりと確保する必要があります。さらに、運動によって血行が促進され、髪の毛に栄養が届きやすくなるため、適度な運動を取り入れることも重要です。
AGA治療をいくら頑張っていても、頭皮環境が悪ければ健やかな髪の毛は生えてきません。頭皮が脂ぎっている、乾燥してフケのようなものが出るなど、頭皮に異常がある場合は対策が必要です。まずはシャンプーを見直してみるとよいでしょう。洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、頭皮環境の乱れに繋がります。育毛シャンプーを使用するなどして頭皮を健やかに保つようにしましょう。
ストレスが溜まると自律神経の働きが乱れ、血行が悪くなります。頭皮の血流が悪化することで毛髪に栄養が行き届かなくなり、薄毛につながってしまうのです。ストレス社会といわれている現代、ストレスのない生活を送るのは難しいですが、趣味や好きなことをしてこまめにストレス発散できるよう気をつけましょう。
2000年 | 東邦大学医学部 卒業 |
2000年 | 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院勤務 |
2004年 | 品川美容外科 入職 |
2007年 | 品川美容外科 鹿児島院院長 就任 |
2012年 | 品川美容外科 川崎院院長 就任 |
2013年 | オザキクリニック 新宿院院長 就任 |
2013年 | Kanac美容外科皮膚科クリニック 院長 就任 |
2014年 | 中央クリニック 入職 |
2015年 | 千葉中央美容形成クリニック 開設 |
2018年 | 医療法人社団 美星会 理事長 就任 |
2020年 | 医療法人社団 美星会 東京表参道BeLumiクリニック 開設 |
日本美容外科学会 日本美容皮膚科学会 日本医学脱毛学会 日本先進医療医師会 アラガン社ボトックス、ヒアルロン酸施術資格 サーマクール認定医 ウルセラ認定医 アルジェネス(ボタニカルフィラー)エキスパート(指導医) 日本医療毛髪再生研究会 理事 |